中古マンション購入ハウスクリーニング|実施するメリットは?

不動産

中古マンションを購入して入居する前に、専門のハウスクリーニング会社に依頼する人もいます。

これは新築物件とは異なります。

今回は中古マンションのハウスクリーニングについて、専門の会社に依頼することのメリット、作業内容、費用の目安などを詳しく説明します。

クリーニングは売主・買主のどちらが行う?

中古マンションの売買契約では、売主と買主のいずれがハウスクリーニングを行うかは明確に定められていません。

ただし、設備や建物に重大な問題がある場合には、売主は修繕責任を負います。

しかし、不具合を契約書に明記し、価格を相応に減額することも可能です。

いずれにせよ、契約が進行する際には、「大きな問題がない」か「買主が問題の状況を把握している」という状態で進められます。

ただし、若干の汚れや傷などは売主が必ずしもきれいにしてくれるわけではありません。

通常、マンションの引渡しは現状の状態で行われるため、気になる場合には自身で修繕するか、専門のハウスクリーニング会社に依頼する方法もあります。

ハウスクリーニングの作業内容

もちろん、自分で簡単な掃除は行うことができますが、ハウスクリーニングはそれだけでは済みません。

ハウスクリーニングには、高度な知識や技術、専用の洗剤や道具などが必要です。

そのため、基本的には専門の会社に依頼することをおすすめします。

ここでは、専門の会社に依頼した際に、どのようなことをしてもらえるのかを詳しく説明します。

基本的な作業内容

多くのハウスクリーニングでは、以下の作業内容が基本となります。

具体的な作業箇所と内容は以下の通りです。

玄関のドア、土間、シューズボックスの清掃を行います。

キッチンでは、シンク、ガス台、ガスコンロ、グリル、クッキングヒーター、戸棚、照明、壁面、窓、蛇口、排水溝を清掃します。

トイレでは、便器、便座、天井、壁面、窓、床、換気扇、温水洗浄(暖房)便座を清掃します。

浴室・洗面所では、浴槽、壁、床、天井、照明、鏡、排水溝、蛇口、シャワー、換気扇、洗面ボウル、収納部を清掃します。

居室や廊下では、床、壁、照明、手すりを清掃します。

ベランダでは、窓ガラスの両面、サッシ、網戸、手すり、床、排水溝を清掃します。

また、エアコンの内部フィルターも清掃します。

これらの作業内容をもとに、ハウスクリーニングは行われます。

作業は専門のスタッフによって丁寧に行われ、清潔な環境を提供するために一つ一つの箇所を丁寧に清掃していきます。

オプションで依頼できることが多い作業内容

上記の基本仕様は、日常の汚れをきれいにするための要件を指しています。

中古マンションを購入した後に行われるハウスクリーニングでは、通常の清掃に加えて、特別な作業を追加で依頼することが一般的です。

これには、以下のようなオプションが含まれます。

まず、水回りのコーティングです。

これは、浴室やキッチンなどの水回りの表面に特殊なコーティングを施し、汚れやカビの付着を防ぐための処理です。

次に、ガラスや鏡のコーティングもあります。

これは、窓ガラスや鏡の表面に特殊なコーティングを施し、汚れや指紋がつきにくくなるようにする処理です。

さらに、フローリングのワックスやコーティングを行うことも一般的です。

これにより、フローリングの表面を保護し、キズや汚れから守ることができます。

また、壁紙クリーニングも重要な作業です。

中古マンションでは、壁紙に汚れや黄ばみが付着している場合がありますので、これを専門のクリーニング方法できれいにする作業です。

さらに、エアコンの分解洗浄もおすすめです。

使用時間の経過により、エアコン内部にはほこりやカビが溜まってしまいます。

分解洗浄を行うことで、エアコンの効率や清潔さを回復させることができます。

最後に、網戸の張り替えも重要な作業です。

風や虫の侵入を防ぐために、網戸の交換や修理が行われます。

ただし、窓やベランダに関しては、注意が必要です。

これらは共用部分となり、室内とは異なる規制や制限が存在します。

物件によってルールが異なるため、管理規約や使用細則を事前に確認することが重要です。

依頼するときの費用の目安

ハウスクリーニングの料金は、様々な要素によって決まります。

具体的な料金は、依頼する部屋の広さや状態によって異なります。

また、依頼する会社や基本仕様に含まれる作業内容によっても費用は変わりますので、複数の会社の価格を調べることが重要です。

いくつかの例を挙げてみましょう。

空室の状態で依頼する場合

同じ条件であれば、部屋に物がない状態のほうが手間が少なくなりますので、それにより費用も削減されます。

さて、異なる部屋のタイプごとの料金相場は以下の通りです。

●ワンルーム(1K)

1つの部屋でキッチンとお風呂が一体になっているタイプ。

1.8万円から2.1万円です。

●ワンルーム+ダイニングキッチン(1DK・2K)

1つの部屋にキッチンとダイニングスペースがあるタイプ。

2.2万円から2.5万円です。

●ワンルーム+リビングダイニングキッチン(1LDK・2DK)

1つの部屋にリビングルームとダイニングスペース、キッチンがあるタイプ。

2.8万円から3.1万円です。

●2つの寝室+リビングダイニングキッチン(2LDK・3DK)

2つの寝室とリビングルーム、ダイニングスペース、キッチンがあるタイプ。

3.9万円から4.2万円です。

●3つの寝室+リビングダイニングキッチン(3LDK・4DK)

3つの寝室とリビングルーム、ダイニングスペース、キッチンがあるタイプ。

4.2万円から4.5万円です。

●4つの寝室以上(4LDK以上)

4つ以上の寝室とリビングルーム、ダイニングスペース、キッチンがあるタイプ。

料金相場は4.6万円以上です。

このように、部屋のタイプや広さによって料金が変動します。

入居中に依頼する場合

居中のクリーニングは、通常の空室時のクリーニングと比較して費用が高くなります。

その理由は、家具や家電の移動や養生などが必要だからです。

ワンルームや1Kの場合、通常のクリーニングに比べて、2.2万円から2.5万円程度の費用がかかります。

1DKや2Kの場合は、2.8万円から3.2万円程度です。

また、1LDKや2DKでは、4.0万円から4.5万円ほどの費用がかかることが一般的です。

さらに、2LDKや3DKの場合は、5.0万円から5.3万円ほどの費用がかかります。

3LDKや4DKでは、6.0万円から6.5万円ほどの費用がかかることが一般的です。

4LDK以上のお部屋では、6.5万円以上の費用がかかることがあります。

なお、これらは一般的な目安として示した価格帯です。

具体的な費用は、物件の広さやクリーニング業者との契約内容によって異なる場合があります。

正確な料金は、業者との相談や見積もりを行うことで明確になります。

費用を抑える方法

ウスクリーニングの費用は、お手伝いをお願いする時期や選ぶサービス提供業者によって、お得になることがあります。

以下では、費用を節約する方法を3つに分けてご紹介いたします。

空室のときに依頼する

先述の通り、ハウスクリーニングは家具などが入る前の空室の状態で依頼すると、より安くなります。

また、作業内容をまとめて一括で依頼する方が、別々の段階で気になる箇所を個別に依頼するよりも費用が抑えられます。

そのため、基本的には引っ越しをする前にクリーニング作業が完了するようなスケジュールを組むとよいです。

閑散期に依頼する

ハウスクリーニング業界は、季節によって需要が異なる業界の一つです。

普通、大掃除が行われる12月や引越しが増える3月は、依頼が増え、忙しい時期となります。

そのため、繁忙期を避けて他の時期に予約することも一つの方法です。

ただし、ハウスクリーニング業者によっては、料金や予約の状況が季節によって異なることがあります。

なるべく余裕をもって予約することが大切です。

特に、繁忙期に依頼する場合は、混雑しているために希望の日時に予約が取りづらくなることがあるかもしれません。

また、ハウスクリーニングは家の内部を掃除する作業なので、天候に左右されにくい利点もあります。

そのため、季節によっては混雑していない時期に予約することで、スムーズに業者に依頼することができます。

ハウスクリーニングを依頼する際は、自分の予定や需要の状況を考慮しつつ、最適な時期を見極めると良いでしょう。

複数の会社の費用を見比べる

同じタスクを依頼する場合でも、料金は依頼する会社によって異なることがあります。

そのため、費用を節約するためには、複数の会社から見積もりを取ることが重要です。

大まかな相場感をつかんだ上で、いくつかの候補を絞り込んでいくと、より割安な依頼先を見つけやすくなるでしょう。

まとめ

ハウスクリーニングに関しては、実は売主が必ず行わなければならないという法律上の規定は存在しません。

一般的には、少ない汚れなどの場合は、現況渡しという形で買主が対処することが多いです。

もし気になる場合は、買主自身で清掃を行う必要があります。

ただし、全体的な室内の清掃に関しては、基本的なプランを選択することができます。

このプランでは、基本的な清掃をまとめて依頼できます。

また、オプションとしてエアコンの分解洗浄やフローリングのワックスコーティング、網戸の張り替えなど、より詳細な作業を追加で依頼することも可能です。

料金に関しては、複数の業者から見積もりを取り、比較することが大切です。

その上で、料金と清掃内容のバランス、業者の実績や信頼性、損害賠償保険の有無などを考慮して、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

しっかりと調査を行い、安心してクリーニングを任せられる依頼先を絞り込みましょう。

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