中古マンションを購入しようとする際には、自分が気に入った物件に他の人も興味を持つことがあります。
複数の申し込みがあった場合、どのような基準で購入者が決まるのでしょうか。
この記事では、そんな状況での優先順位や商談の進め方について詳しく説明します。
申し込みが複数あった場合の優先順位は？
よく人気のある中古マンションは、自分以外にも欲しいと思う人がいることがよくあります。
結果的に、複数の人がほぼ同じタイミングで申し込みをする場合もあります。
中古マンションの場合、最終的な購入者の決まり方は、新築マンションとは少し異なります。
新築マンションでは、先着順や抽選などによって購入できる人の優先順位があらかじめ決まっていることが多いです。
例えば、抽選によって順位が決定されて、上位の人から好きな部屋を選ぶというケースが一般的です。
一方、中古マンションの場合、多くの場合、人々の優先順位は「買付証明書」の提出順によって決まることが多いです。
買付証明書は、物件を購入する意思を示す書類であり、不動産会社を通じて売主に提出されます。
買付証明書には、購入する意思の他に、希望価格や手付金の額、契約希望日、引き渡し希望日、住宅ローンの利用の有無などが記載されます。
ただし、買付証明書の提出順で優先順位が決まらない場合、通常は買付証明書の内容によって優先順位が決まります。
もし物件を確実に手に入れたいのであれば、他の購入希望者よりも売主にとって良い条件を提示することが重要です。
申し込みが多くなりやすい物件の特徴
申し込みが多くなりやすい物件の特徴はいくつかあります。
まず、周辺の物件の相場と比較して適正な価格で売り出されていることが重要です。
間取りや築年数、立地条件など、周囲の同様な物件と比較して同水準またはそれ以下の価格であれば、人気が集まりやすくなります。
また、最近値下げが行われた物件にも注目が集まります。
何らかの理由で急いで売却する必要がある場合、値下げが行われることがあります。
以前から注目されていた物件で価格が問題になっていた場合、値下げが行われた時点で申し込みが増えることもあります。
さらに、不動産情報ポータルサイトで上位に表示されている物件も注目されやすいです。
多くの人が閲覧するため、人気が高まります。
誰もが条件の良い物件を探すため、気になる物件があれば、早めに問い合わせをすることが大切です。
要するに、申し込みが多くなりやすい物件は、適正な価格で売り出され、最近値下げが行われたり、多くの人に見られる機会がある物件です。
条件の良い物件を求めている人たちは、早めに興味を示し、問い合わせをする傾向があります。
候補の物件を購入するために大事なこと
自分が欲しい物件に他の人も申し込みをしていると、焦ってしまうかもしれません。
しかし、申し込みがあったからといって、すぐにその物件を手に入れることができるわけではありません。
法的に言えば、物件を手に入れるのは売買契約を締結した時だけです。
ただし、最終的に物件を売るかどうかは売主の判断によるものです。
物件を早く手に入れたいのであれば、売主が求める条件に合意することも重要です。
事前に物件の適正価格を調べて、どの程度の条件であれば妥協できるかを考慮してみましょう。
また、不動産会社の担当者としっかりコミュニケーションを取り、アドバイスを受けることも大切です。
売主側の視点で見たときの優先順位
物件の購入をスムーズに進めるためには、売主の視点を考慮することが重要です。
売主は、同じ時期に申し込まれた場合、価格や支払い方法、日程などの条件が良い人に物件を売りたいと考えています。
まず、同じ時期に提出された買い付け証明書の場合、高い購入価格を提示してくれた人が選ばれる傾向にあります。
次に、購入価格がほぼ同じであれば、現金での支払いが優先されるでしょう。
現金での支払いならば、住宅ローンの審査が通らずに取引が中止になる心配がないため、優先される可能性が高まります。
上記の2つの条件に大きな違いがない場合、購入希望時期や引き渡し日が重要となります。
一般的に、スケジュールが長引くほど、購入者の考えが変わりやすくなるため、早めに支払いをすることを優先する傾向があります。
ただし、これらは一般的な傾向であるため、必ずしも全てのケースで適用されるわけではありません。
売主が望む条件が分かれば、その条件にどの程度応じることができるかを考えて、買い付け証明書を提出してみることがおすすめです。
商談を進めるときに押さえておきたいポイント
物件を早く手に入れたいと思う場合、売主の意向にできるだけ合わせることが良いでしょう。
たとえば、同じ時期に申し込みがあった場合、高い購入価格を提示した人に優先的に売りたいという気持ちが働くことがありますので、無理に値下げ交渉をすることは避けましょう。
もし価格面で折り合いがつくなら、早めに手付金を支払って売買契約を結ぶことをおすすめします。
引き渡し時期なども特にこだわりがない場合は、売主の希望に合わせることで商談がスムーズに進むことができます。
また、当然のことですが、誠実な対応ときちんとしたコミュニケーションを心掛けることが重要です。
売主は様々な理由で物件を売却するのですが、できるだけ今後も物件を大切にしてくれる人に売りたいと考えていることでしょう。
売主が何を望んでいるのかを不動産会社の担当者を通じて把握し、条件面での調整を試してみてください。
まとめ
中古マンションを購入する場合、買い手の優先順位は先着順ではなく、買付証明書の提出順やその内容によって決まります。
中古マンションを購入したい場合は、売主が納得しやすい買付証明書を提出することで条件面での折り合いを見つけることが重要です。
もし物件の適正価格を知りたい場合は、国土交通省の「土地総合情報システム」や、不動産流通機構の「レインズマーケットインフォメーション」などの情報をチェックしてください。
また、不動産会社の担当者とコミュニケーションを取ることで、購入したい物件の適正価格を確認することができます。
売主との商談を進める際のポイントは、売主の要望にできるだけ添う形で交渉していくことです。
過度な値引き交渉などを行ってしまうと、売主に悪い印象を与え、別の購入希望者に物件が譲られる可能性があります。
価格や決済方法、スケジュールなどで、売主の要望とどの程度合わせることができるかを検討してみてください。
