お住まいのマンションで水漏れが発生した場合、わずらわしいかと思います。
マンションで水漏れが起きると、あなたの部屋だけでなく、下の階や建物全体にも影響が及ぶ可能性があります。
ですから、素早く適切な対策を取ることが重要です。
この記事では、マンションで水漏れが起きた場合に考えられる原因や適切な対処方法、保険を利用して賠償金や修繕費用をまかなう方法、そして将来的に加害者にならないための対策について詳しく説明していきます。
水漏れの考えられる原因
水漏れを再び起こさないようにするためには、さらなるトラブルを防ぐためにも、修理や損害賠償の責任を誰が負うべきかを決定するためにも、水漏れの原因を特定する必要があります。
故意・過失による水漏れ
注意が欠けることやミスによって水があふれるという事例があります。
具体的な例を挙げると、お風呂のお湯を閉め忘れ、結果的に溢れてしまったケースや、洗濯機の給水ホースが外れてしまい、水があふれたケースが考えられます。
また、キッチンの排水溝が詰まって水があふれるケースや、トイレに紙を詰まらせて水が溢れるケースもあります。
さらに、ベランダの菜園に水をやりすぎて水があふれてしまうケースも挙げられます。
これらの事例では、原因がはっきりしているため、対処方法も比較的容易に見つけることができます。
建物や配管設備の経年劣化・故障による水漏れ
マンションの経年劣化や故障に関する問題があります。
例えば、外壁に亀裂が入り、それによって雨水が室内に侵入する可能性があります。
また、配管も経年劣化によって破損することがあります。
屋根やベランダの防水加工が劣化し、雨水が浸入することもあります。
また、リフォーム作業中に配管に損傷が生じることもあります。
施工中の工事によって排水管の接続が弱くなり、水漏れの原因になることもあります。
これらのケースでは、問題の原因はマンションの内部や構造部分にあるため、具体的な原因を特定することは難しいと言えます。
水漏れが起きた時の対処方法
マンションで水漏れが起こってしまった場合の対処法を見ていきましょう。
マンションの管理会社に連絡する
マンションの管理会社または管理組合に先ず連絡しましょう。
管理会社に連絡することで、その後の対処方法を指示してもらえます。
水漏れの被害が小さく見えるかもしれませんが、必ず連絡をするようにしてください。
というのも、水漏れは見た目ではわからない場所で大きな被害を引き起こすこともありますし、最悪の場合は下の階の住民に迷惑をかけることもあります。
また、自分で水道業者を呼ぶよりも、まずは管理会社に連絡する方が良いです。
管理会社が水道会社に依頼してくれる場合もありますので、自分で依頼することによって発生する費用も自己負担になる可能性があるため、注意が必要です。
水漏れの状況写真を撮っておく
水漏れが発生したときには、可能な限り水漏れの状況写真を撮っておくことが重要です。
水漏れが起きた場所と、どのような原因で水漏れが発生したのかによって、誰が修理費用や賠償の責任を負うかが決まります。
水漏れの発生原因を特定するために、後で証拠として使えるように、できるだけ多くの状況写真を保管しておきましょう。
特に、管理会社が立ち会えない夜間などで修理が必要な場合は、状況が変わってしまう可能性があるため、証拠写真を多めに撮っておくことが重要です。
水道・電気業者に詳しい調査を依頼する
夜間や他の連絡が取れない時間帯に、管理会社に連絡がつかない場合は、自分で直ちに水道業者に連絡して修理と詳細な調査を依頼しましょう。
この際には、必ず「領収書」と共に水漏れ箇所や修理内容を記載した「調査書」を入手するようにしてください。
もし管理会社が水道業者などの手配をしてくれた場合には、自分で業者を呼ぶ必要はありません。
さらに、水漏れによって照明器具やコンセントから漏電が発生する可能性もあるため、念のため電気会社にも連絡し、漏電の有無を確認してもらうようお願いしましょう。
加入している保険会社に連絡する
もし火災保険などに加入している場合は、例えば自室の床や壁の修繕費用や下階への損害賠償などに対して保険金が支払われる可能性があります。
ただし、それには一定の条件がありますので、保険会社に連絡することが重要です。
保険の適用範囲や認定基準は、個人の判断で決めることができるものではありませんので、まずは保険会社に相談してみましょう。
保険でカバーできるケースについては、3章で詳しく解説します。
被害者へお詫びをする
もしも浸水があり、下の階にも被害が出てしまった場合、私たち管理会社は速やかに被害を受けた住戸の入居者に謝罪に伺いましょう。
被害の程度によっては、損害賠償が必要になることも考えられますが、私たちは真摯に対応することが重要です。
もし問題が大きなものになりそうであれば、第三者である管理会社や弁護士に状況を説明し、その間に入ってもらうことも検討しましょう。
マンションの水漏れ時に使える保険
もし水漏れの原因がマンションの共用部分にあった場合、管理会社は賠償責任を負います。
一方、もし水漏れが専有部分から起きた場合、賠償金はその区分の所有者が負担する必要があります。
専有部分からの水漏れによる賠償金や自分の部屋の修繕費には、マンションの管理会社で加入している火災保険や個人で加入している火災保険が適用される可能性があります。
これらの保険が、賠償金や修繕費用の一部をカバーすることがあります。
ただし、具体的な保険の適用範囲や条件は保険契約書によって異なるため、自分の保険契約書を確認し、必要な書類や手続きを行うことが重要です。
また、保険会社に連絡して、詳細な情報を得ることもおすすめです。
マンションの管理会社が加入している火災保険
マンションの管理会社では、一般的には共用部分の補償をするために火災保険に加入することがあります。
共用部分の補償とは、例えば共有の廊下や階段、エントランスなどが火災や災害によって損壊した場合に、その修繕費や復旧費用を保険金でまかなうものです。
さらに、個人賠償特約を付加している場合には、もし自分の部屋の水漏れや火災が、下の階に損害を与えた場合でも、その賠償金を保険金でまかなうことができます。
例えば、自分の洗濯機の水漏れが原因で、下の階の天井や床に水が浸食してしまった場合、その修繕費用を保険金でまかなうことができます。
ただし、この保険の適用範囲や条件は、管理会社によって異なります。
したがって、具体的な状況においてどの程度保障されるかは、管理会社に問い合わせる必要があります。
管理会社の担当者に問い合わせることで、自分のケースでどのような補償を受けることができるかを確認することができます。
また、保険が適用された場合でも、自分の部屋の修繕費用や水漏れの原因調査費用といったものは、保険の対象外になる場合もあります。
保険でまかなえない部分については、個人で保険に加入しているか、または自己資金でまかなう必要があります。
個人で加入している火災保険
階下にいる人への補償金は、あなたが個人で加入している火災保険や自動車保険に付加されている個人賠償特約を利用することが可能です。
しかし、自分の部屋の修繕には火災保険の水濡れ補償を使うことができます。
この補償は、水の漏れによる被害があった場合に補償されるだけでなく、自分自身が水漏れの被害を受けた場合にも補償を受けることができます。
まとめ｜マンションで水漏れには慌てず適切な対処を
マンションで水漏れが発生した場合の原因や対処方法について、詳しく説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
マンションで水漏れが起きた際には、次のような対処方法を心掛けましょう。
1. マンションの管理会社や管理組合に連絡しましょう。
彼らはすぐに対応するための専門知識やリソースを持っています。
2. 状況を把握するため、水漏れ箇所や被害の具体的な状態を写真に撮っておきましょう。
後で証拠として役立ちます。
3. 専門の水道や電気業者に依頼して、水漏れの原因を特定してもらいましょう。
彼らは的確な診断を行い、修理するための適切な手術を行います。
4. 損害保険会社に連絡しましょう。
水漏れによる損害がある場合、適切な補償を受けるためにも保険会社に報告することが重要です。
5. 漏れた水によって他人や他の部屋に被害を与えた場合には、謝罪の意を示しましょう。
他人の財産を害することは大変重大なことです。
水漏れの怖いところは、壁や天井の内部など、目に見えない場所で気づかずに大きな損害が生じる可能性があることです。
そのため、水漏れの程度が小さくても、必ず管理会社に連絡するようにしましょう。
また、専有部分の配管や自室のトイレやキッチンが原因となって水漏れが起きた場合、賠償責任を負うことになります。
自分が管理会社や個人で加入している損害賠償保険が適用されるかどうかも確認してみましょう。
最後に、マンションでの水漏れが再発しないようにするためには、日頃から水回りのメンテナンスをしっかりと行うことも重要です。
水道管や排水管の点検や清掃を定期的に行い、予防策を講じることが必要です。
